【内定者必見】国税専門官の仕事その6 総務課とは?出世ルート、花形部署、調査しない部署・・・

こんにちは。元国税専門官のバツマルです。

税務署の部門ごとの解説をしているシリーズの第6弾「総務課」です。

税務署には大きく分けて6つの部門が存在します。
法人課税部門、個人課税部門、管理運営部門、資産課税部門、徴収部門、そして総務課です。

普通の人はめったに訪れない税務署の、さらに最も地味な総務課の話なんて、誰か興味を持ってくれるのでしょうか・・・。

不安をいだきながら書いたブログですが、主に国税専門官を目指す方や国税専門官に内定をもらった人には有益な情報になるよう頑張りましたので、よかったら最後まで読んでみてください!

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予算コントロールと署内のあらゆる調整を行う部署

税務署における総務課の仕事は多岐にわたります。
署に割り当てられた予算のコントロール、職員のメンタルケアや研修、広報、署長や副署長の秘書的な役割もこなす何でも屋です。

経理、人事、広報、総務がまとまったような部署と言えばわかりやすいでしょうか。

調査・徴収部門の職員が日々安心して業務にあたることが出来るのも、総務課の職員の賜物というわけです。

税務署の職員でありながら、税務調査は行いませんし、滞納処分をすることもないです。税務相談に従事することもないため、普通の人が税務署の総務課と関わることはまずありません

ですが税務署で働いている職員からすると、総務課はなくてはならない存在で、様々な場面で相談に乗ってもらったり助けてもらったりします。

納税者の応対をすることはないのでその点はストレスなく仕事が出来そうに思うのですが、署長、副署長といった署内の幹部や地域の有力者、国税局や他府庁のお偉いさんと直接仕事をすることになりますから、ストレスという点では普通の税務署職員より負担があるかもしれませんね。

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総務課は国税専門官の出世コース!

国税専門官として採用された以上、やはり同期より出世したいと思うのは自然なことです。
もしあなたが20~30代前半のうちに税務署の総務課に配属になったら、おそらく同期の中で出世を期待されていることでしょう

その後、国税局や国税庁で経験を積み、総務係長会計係長へと階段を上ることが出来れば、同期の中でも相当な出世頭です。

早い人なら40代半ばで総務課長となります。

総務課長は副署長に次ぐ、税務署のナンバースリーです。
統括官はもちろん、第一部門の筆頭統括官よりもワンランク上の肩書なのです。

総務課長になれば数年後に副署長のポストが約束されています。
国税専門官の同期はほとんどが統括官で定年を迎えますから、いかに総務課が出世コースなのかわかると思います。

総務課の職員は確定申告の時期を除いて、唯一税の相談、徴収、調査の業務に従事しない極めて例外的な部署です。

税務調査をしたいがために国税専門官になったのに、出世のためにはそういった仕事から離れた部署に行く必要があるなんて、何だかおかしな話ですね。

でも、さすがにずっと総務畑ばかりを異動になるということはないはずです。
国税局の課税課資料調査課で重大案件の実務経験を積みながら、時には署の総務課や税務大学校の教育官補などで調整・教育に関わる業務をこなし、やがて署長局課長へと昇進するのです。

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総務課に行きたいなら、まずは調査・徴収と研修で成績を残す!

総務課へ異動するには何か他の職員、特に同年代のライバルよりも抜きんでた能力を署長や副署長へ示す必要があります。

国税専門官に採用されてすぐは管理運営部門で基礎を固め、課税・徴収部門で数年間実務経験を積むのは、どれだけ優秀であっても変わりません。

勝負は採用4年目に行われる専科研修後の異動です。

この時点までに、調査なら重加算税案件をどんどん取ってくる、徴収なら多くの滞納金を納めさせる、といった「わかりやすい数字で成績を示す」ということが重要になってきます。

案件が大きく重要な案件ほど、決裁者も部門統括官→筆頭統括官→副署長・署長と上位になっていきます。

署長クラスに「こいつはよく自分に決裁書を持ってくるな」と思ってもらうためには実務で頑張るのが一番ということです。

そして仕事の成績と同じぐらい重要なのが、国税専門官全員が受講する長期研修での成績です。

国税専門官には採用されて数年以内に、重要な長期研修が以下の三つあります。
①採用後即受ける「専門官基礎研修
②採用後2年目に受ける「専攻税法研修
➂採用後4年目に受ける「専科研修

それぞれの研修の最後には試験を受け、成績に基づきS~Dで評価されます。

ここでつけられた成績はその後の昇進に大きく影響してきます。
若いうちから総務課に配属されて出世街道を歩みたいなら、SかAの成績を保持することが望ましいでしょう。

研修成績の重要性は受講している職員全員が理解しているので、みんなかなり必死に勉強していい成績をとろうとしてきます。
そんな中でSやAを取るのは生半可なことではありません。

加えて研修でいい成績を取ったからといって、必ず総務課に配属される保証もありません。
国税専門官の出世コースは総務課だけではありません。
国税局の課税課や財務省の主税局などに異動する可能性もあります。

総務課への異動を希望しているのであれば、上記条件に加えて「業務上の調整力やバランス感覚」といったものを身に着けて、少しでも可能性を高める必要がありそうです。


知って得する税務調査の奥の奥 [ 清家裕 ]
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まとめ

税務署の中でも最も存在が知られていない総務課の解説をしてきましたが、いかがでしたでしょうか。

出世コースだったり仕事内容も大変なことが多かったりと、意外な一面をご紹介できたのではないでしょうか。

国税専門官の受験予定者や採用予定者の皆さん、総務課を目指すにはまず目の前の仕事で結果を出す必要があるということがお判りいただけたかと思います。

そして最初のステップは採用されてすぐの専門官基礎研修です。

今後の長い長い国税専門官人生を左右する大きなポイントだと思って、しっかりと勉強を頑張ってくださいね!

今回は以上です。

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