【2024年度版】国税専門官採用者はどこまで出世できる?上席止まりってマジ?国税専門官対策本部~こくせんぶ~

こんにちは。元国税専門官のバツマルです。

国税組織には大きく分けて三種類の職員がいます。

国家公務員総合職試験採用者(キャリア)
国税専門官試験採用者(大卒)
税務職員採用者(高卒)

このうち国税組織で最も年間採用者数の多い、国税専門官採用試験に合格した人たちの出世について解説していきます。


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国税専門官で最高に出世した場合

ノンキャリアである国税専門官が最も出世して就けるポストが国税局長です。

ただし東京国税局、大阪国税局の局長はワンランク上で、キャリアにのみ許されたポストです。
しかもノンキャリアに与えられた局長ポストは一つだけですので、地方国税局も基本的にはキャリアで占められています。

地方国税局長は指定職2号のポストであり、国税庁本庁部長や最高検察庁事務局長などと同等となっています。
政府役人の中でも最高幹部が指定職となりますので、どれだけ出世するのが難しいかわかるかと思います。

ここまで上り詰める国税専門官は、同期の中でたった一人だけです。

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国税局長まで出世するためには

研修で抜群の成績を修める

1000人以上いる同期の中で一番になるということですから、生半可なことではありません。

まず国税専門官で採用されて3年後に受ける専科研修で「S」の成績を取ります。
それだけではダメで少なくとも上位5番ぐらいには入りたいです。

その後調査・徴収業務で著しい成績を上げつつ、同期でも最優秀者にしか受講できない研究科という研修に選ばれます。

そこでは税に関する論文を仕上げたり、東大をはじめとした一流大学へ派遣されて知識をつけたり、普通の職員ではできない経験をすることができます。

研究科に選ばれた職員は、その他の国税専門官達とは全く異なるキャリアを進むことになるほど、精鋭達です。

税務署に戻らず本省庁に残り続ける

30代以降はほとんど税務署に戻ることなく国税庁や国税局、あるいは金融庁や財務省で実績を積みます。

大変な激務になるでしょうが、ライバルが超優秀なキャリア職員ですから気を抜くとあっという間においていかれます。

国税局課長、国税局部長、国税庁課長と昇進を重ね、定年直後に国税局長のポストにたどり着きます。

国税庁採用のキャリア組でもここまでたどり着けない者がいますから、局長まで来ればキャリアを飛び越した大出世ですね。

仕事の過酷さだけでなく、転居の移転を伴う異動が頻繁に発令されます。
30~40代でどれだけ耐えられるかが重要なわけですが、一般的に結婚や出産、子供の学校のことなどで簡単には引っ越しができない年齢です。

家族を道連れに数年に一回の引っ越しをするか単身赴任をするか・・・悩みどころですね。
単身赴任をしてしまうと、休暇もろくに取れない激務ですから子供には親と認識してもらえない可能性すらあります。

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国税専門官が目指す最終ポストは大規模署署長、国税局課長

さて、国税局長という夢のある話をしてきましたが、もう少し現実的な出世はどうなっているのかという声が聞こえてきそうですね。

基本的に国税専門官で採用されたら、大規模税務署長、国税局課長が目標とすべきポストになります。

国税局長と比べるとかなりランクは下がりますが、それでも最大規模署の署長であれば「官僚」と呼ばれる本省課長クラスの役職になります。

ここまで出世するのは同期の1~2割程度です。
かなり現実的な割合ではないでしょうか。

専科研修ではAかSを取り、国税局や国税庁で経験を積みながら、税務署に戻れば総括上席や連絡調整官、特官といった係長、課長補佐級のポストを回ります。

40代半ばで筆頭統括官になれればかなりのスピード出世です。
部門全体のまとめ役としていくつか税務署を回り、総務課長を経験すれば副署長への昇進が約束されます。
そして定年前に署長へ昇進し勇退、というのが一般的なパターンです。

部下や自身の不祥事が起きなければ定年後は十分な年金があるでしょうし、税務署長経験ありという経歴を引っ提げて税理士へ転身する人もたくさんいます。

なかなか明るい未来が待っていそうですね。

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多くの国税専門官は統括官で退官する

署長クラスまで出世できるのは1~2割と申しましたが、多くの同期は税務署の課長クラスである「統括官」で退官します。

部門の長ですから、それなりに責任のあるポストになります。
国税局では課長補佐や係長級にあたります。

例えば調査部門には第一部門、第二部門、第三部門といったように複数の部門がありますが、
第一部門の統括官は筆頭統括官といい、他の統括官よりもワンランク上の役職になります。

そこから更に出世したいのなら50歳前には到達したいところです。

もちろん統括官まで昇進できずに定年を迎える人もいますから、全員が横並びというわけにはいきません。

調査や徴収業務をしっかり頑張らないと、署の係長級である上席で終わってしまう可能性もあります。

もちろん家庭やその他の事情により自ら出世を捨てる人もいます。

そういった特段の事情がないのなら、ぜひ統括官ぐらいを目指してみてはいかがでしょうか。

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上席で退職する人も

上席というのは税務署の係長級の役職になります。
新人の事務官、一人前の調査官、ベテランの上席という順にキャリアアップしていきますが、国税専門官採用試験に採用されれば基本的には上席にはなれます。

同年齢に比べてかなり仕事が出来なかったり、欠勤が多かったりする人でも上席にはなっているところを見ると、何らかの不祥事を起こさない限りは昇格できると考えられます。

係長級とはいえ、やることは調査官級と変わりません。
指導する後輩がいるぐらいで、調査に行ったり統括官の指示に従ったり・・・。

責任がそこまでない点を重視し、家庭や趣味とのバランスを考慮して自ら統括官を断り、上席のままとどまっている人もいますので、例えば50代の上席がいたとして、それをもって能力に劣るとはいえないわけです。

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まとめ

国税専門官の出世の幅は、国税局長~上席と大変広くなっています。
上に行くほど狭き門になるのは言うまでもありませんが、研修の成績と調査徴収の実績が査定のポイントになっている点は、公務員の中ではわかりやすいですね。

要は頑張った人にチャンスがあるということですから、採用されたときの席次や最初の配属署が思い通りでなかったとしても腐る必要はないのです。

責任のある立場になって税務行政を動かしていきたいと考えている人は、ぜひ頑張って同期トップの出世を目指してください。


知って得する税務調査の奥の奥 [ 清家裕 ]

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