公務員は景気が悪くなると採用倍率が上がる傾向にありますが、いつの時代も安定性などを理由に、大学生や子を持つ親から就職先として定評がありますね。
しかしながらそんな公務員に就職しながらも、何らかの理由で退職してしまう人は少なからずいます。
何を隠そう筆者のバツマルも公務員を一身上の理由で退職したクチです。
これから公務員試験を受ける人たちのほとんどは、一生の仕事と思って勉強していると思うのですが、どうしても一定数は定年の前、もっというと若いうちに自ら退職を決意します。
キャリアアップのために転職する、という理由ならいいのですが、現実はそれ以外のもっと消極的な退職理由がほとんどです。
できることなら就職してから後悔しないよう、どの公務員になるのかは慎重に決める必要があります。
公務員をドロップアウトした経験者として、その辺りのことを書かせていただこうと思います。
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転勤がどの程度許容できるか
公務員は地方公務員か国家公務員かによって、転勤の範囲が大きく異なります。
地方公務員であれば都道府県や市町村単位での移動が原則ですから、そこまで不安になる必要はないですね。
ただし国家公務員では、全国転勤があるものと、関東エリア、中部エリアなどブロック単位での転勤に限られるものに分かれます。
あなたは全国転勤を前提として働くことが出来るでしょうか。
もちろん今現在独身で身軽な方は問題ないでしょうが、将来結婚、出産、子育て、介護、自身の体力などを考慮してみると、実際そう簡単に即答できる質問ではないはずです。
転勤を甘く見てはいけません。
国家公務員総合職でいえば、北海道から沖縄までどこに異動になるかわかりません。
さらに海外機関勤務の可能性もあります。
それも2~3年おきという非常に短いスパンで辞令が発令されます。
小学生の子供がいたとしたら何度も転校することになるでしょう。
嫌なら単身赴任になりますが、家賃や生活費が多くかかりますし、家族と離れ離れで暮らさなければならないのは想像以上に辛いと聞きます。
一方で地方公務員のように転勤範囲が狭い、あるいはほとんどない場合も良いことばかりではありません。
小さな市町村役場で働くことになった場合、転勤というよりは部署移動がメインになるでしょう。
引っ越しの心配はありませんが、職場が閉鎖的になりがちで、新鮮さには乏しいかもしれません。
転勤について考慮する時は、自分が許容できる範囲・頻度の程度と受験候補の公務員の転勤例を比べるといいと思います。
政令指定都市や都道府県庁などがほどよい転勤があり、かといって単身赴任が必要なほどではないことが多いため、バランスが良く人気がありますね。
もちろん全国どこへ行ってもやっていく自信があり、頻繁な引っ越しも全然気にならない、という人であれば国家公務総合職でも問題ないでしょう。
合格可能な試験を狙う
これを言ってしまうと元も子もないのですが、到底合格不可能な公務員を受験するのは単に無謀というものです。
例えば、受験日まであと三か月しかない、年齢制限ギリギリの私立文系大学卒の人が国家公務員総合職を目指したとして、おそらく内定は不可能でしょう。
ポイントとしては、
①受験要件
②受験日までの期間
③試験の難易度と自身の能力
④予備校使用の可否
このあたりを確認してみてください。
あくまで冷静に、客観的に考えて、挑戦する価値のある公務員を選ぶべきです。
難易度としては国家公務員総合職を始めとして、いわゆるキャリア採用試験が最難関です。
しかし、これらの試験の対策をして、より難易度の低い試験にも対応できるかというと、そうとも限りません。
公務員試験には独自の科目や対策が必要なる場合があります。
もちろん親和性の高い試験もあるので、複数の公務員に合格することは珍しくないのですが、それは複数の試験に対応できるだけの策を講じたからに他なりません。
できることであれば、ある程度ターゲットとする試験を絞り、少ない労力でカバーできる併願先を見つけることが複数合格の近道です。
繰り返しになりますが、むやみに難易度の高い試験用の勉強をしたからと言って、多くの公務員試験に対応できる力がついているわけではないことを、覚えておいてください。
いつか受かると信じて何年も公務員浪人してしまい、つにい年齢制限に引っ掛かってしまい、どこにも就職できなかった人を知っています。
自分のやりたい仕事を思い描いてみる
これも非常に重要なことです。
いくら難易度や転勤範囲が自分に合っているといっても、仕事の内容に全く興味が持てないような公務員を受験して合格したとしても、いったい何年耐えられるでしょうか。
逆に言えば、「これだ」と思うような公務員を見つけられたのであれば、難易度の高い試験でも勉強を頑張れるでしょうし、転勤についても気にならなくなるかもしれません。
民間企業への就職も同じですよね。
誰が興味のない業界の会社の採用を受けようと思うでしょうか。そんなものは時間の無駄でしかありません。
内勤がいいのか、外に出かけるような仕事がいいのか、高い専門性を身に着けたいのか、海外勤務も視野に入れたいのか・・・
こういったことを真剣に考えることは、公務員試験で最近重要視されている面接対策にもなります。
自分のやりたいことはこういうことで、この自治体ならできるから、というのは立派な志望動機ですよね。
公務員は想像以上に種類がたくさんあります。
きっとあなたにマッチする公務員が見つかると思います。
興味の出た公務員を徹底的に調べてみる
さて、1~3までご紹介してきましたが、ほとんどの方はそろそろ候補の公務員が見つかっていると思います。
最後にやるべきことは、その公務員について徹底的に調べつくしてください。
ネットの掲示板を始め、公務員予備校のHP、ブログ、現役職員、実際に職場に足を運んでみるのもいいでしょう。
説明会が開催されているのであれば積極的に参加しましょう。
とにかく様々な角度から検証することが重要です。
自分がなりたい公務員を選ぶうえで後悔しない最大のポイントは、調べて調べて調べまくることです。
バツマルにはそれが足りませんでした。
自分にとって好ましい情報だけ仕入れて安心するだけの、何の意味もない情報収集をしていたことが原因で、入庁した後に、
「思っていたのと全然違う・・・」という最低最悪の状況になり、ついに退職に至ったのです。
これから受験を予定している皆さんにはぜひそんな経験をしてほしくないので、絶対に情報収集だけは怠らないようにしてください。
それも、悪口や愚痴に見えるような情報にもしっかり目を向けて、真偽のほどを検討してください。
間違っても自分が信じていることに沿わない情報を切り捨てるようなことはないようにしましょう。
今回は以上です!
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