国税専門官の辞退者は何人出るのか?過去データから算出しました。

はじめて。元国税専門官のバツマルです。

最近は国税専門官試験のことよりも、国税専門官の仕事や税務署について記事を書くことが多くなっていました。
が、このブログをはじめたきっかけは、やはり国税専門官試験の受験生の役に立ちたい!という考えだったので、一度原点に戻ってみようと思います。

というわけで今回は「国税専門官の辞退者数」がテーマです。

国税専門官が第一志望の人も、そうでない人も意外と気になる「辞退者数」
他の公務員と比べて多いのか少ないのか、何人ぐらい辞退するのか・・・

そんなことを解説していきます。採用試験を終えた方も、まだこれからという方も、有益な情報になっていますので、最後まで読んでいただけると嬉しいです。

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2020年度試験の辞退者数は約2,600人以上!

国税専門官試験の辞退者数は、年にもよりますが毎回2,000人以上は存在します。
この数が多いのか少ないのかでいうと、非常に多いです。

2020年度のデータを見ていきましょう。

2020年度の最終合格者数は3,903人です。
そして採用予定数は1,350人

実際の採用者数はまだ公表されていませんが、毎年採用予定数より若干少ないぐらいで推移していますので、およそ1,100~1,200人でしょう。

最終合格者数から実際の採用者数を引くと、2,700~2,800人
かなり多めに100人の採用漏れが出たとしてそれを引くと、2,600~2,700人。

これが辞退者数となります。

最終合格した4,000人のうち2,600~2,700人ですから、合格者の7割近くが国税専門官よりも他の進路を選んだということになります。

同じように2019年度で計算してみると、
最終合格者数3,514人、採用予定数1,200人、採用漏れ100人で、2,214人が辞退しています。

国税専門官は辞退者が非常に多い公務員試験です。
そのことは受験者同様、採用側としても重々承知しており、何とか入庁者を確保するために採用予定数をどんどん増やしているのですが、結局は蹴られて他の公務員に取られてしまっているのが現状です。

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国税専門官が辞退されるのには理由がある

もちろん、辞退する側にもちゃんとした理由があります。

第一に、国税専門官の仕事が他の公務員に比べてストレスが多く、大変だと思われていることが挙げられます。

もちろんその代わりに給与が高く、税務署にいる限りは残業も少ないのですが、肝心の業務内容があまりにも特殊で困難性が高いので、いわゆる「事務作業を行う公務員」になりたいと思っている大多数の受験生からは避けられてしまうのです。

第二に、その割には他の公務員試験と科目が重複する試験内容で、練習にはもってこいだからです。

国税専門官試験の筆記試験で、他の公務員では出題されない特殊な科目といえば「会計学」と「商法」ぐらいなものです。

なお、商法は出題数が低く、国税専門官が第一志望であったとしても無視して合格可能です。要するに「会計学」を追加で勉強するか、他の科目でしっかり得点すれば通過できるのが国税専門官の筆記試験なのです。

滑り止めにすることも考慮すると、できれば志望度の高い試験と相性のいいところを選ぶのが受験生の心理ですし、それが正しいと思います。

もともと国税専門官になりたい!と強く思っているわけではない受験生が多いために、結果的に辞退者を増やしていると考えられます。

辞退者が多い理由についてもっと詳しく知りたい方は、「そもそも国税専門官の辞退者は何故多いの?元国税専門官が真剣に考えてみた」をご覧ください。

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辞退は電話で伝えればOK!

国税専門官試験に合格し、採用してもらったけれど何らかの理由で辞退をしたい場合は、採用担当に電話を掛けて辞退の意思を伝えれば大丈夫です。

仮に「他に内定が出ても国税専門官を優先してね」という書類を出していたとしても、こちらの意思で辞退することを止める権利は国税にありません。

はっきりと辞退したい旨を伝えましょう。

相手から「理由は」とか「話が違う」とか言われても基本的に流しておけば問題ありません。
先ほども述べたように、そもそも国税専門官は大量の辞退者を毎年出しており、かつ辞退されるだけの理由もあるのです。

採用側として何とか人数を確保したいがために、あの手この手で引き留めにかかりますが、まともに相手をしても時間の無駄ですから、辞退を伝えて、相手の所属と名前をメモしたら、適当なところで電話を切り上げましょう。

★辞退を伝える際に役立つ記事があります★
「国税専門官を辞退したい・・・タイミングや伝え方は?【電話用の例文あり】」を参考にしてみてください。

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国税専門官は辞退者が多いから不安・・・という方に

国税専門官の辞退者が毎年多く出ていることは紛れもない事実です。
そしてそれは国税専門官の業務上の特殊性、困難性が主な理由であることも先ほど書きました。

それを知って
「第一志望だったけど、ちょっと不安になってきた・・・」
という人もいるかもしれませんね。

でも安心してください。

国税専門官は確かに他の公務員とは違う職業ですが、合う人には本当に天職のように感じる仕事です。

抜群の安定感と高い給与、一般公務員にはない強い権限、勤続すれば税理士資格がもらえるという破格の待遇。

税務調査や徴収業務が絶対に無理だ、と感じなければむしろ魅力はかなり多いです。

バツマルを含め、何人かの同期は入庁後数年で退職しましたが、当然そんな早くにやめてしまうのはごく少数です。

多くの同期は今もバリバリと国税専門官として働いていますし、実績を上げて出世コースに乗っている者もいます。

辛いと言われる税務調査もやはり回数をこなせば慣れてきますから、経験を積めば自分なりのやり方が定着してきて数字を挙げられるようになってきます。
そうなればしめたもので、毎日の調査が楽しくて仕方なくなってくることでしょう。

国税専門官を避ける人が多い、それは事実です。
でもだからといってあなたにも合わないと考えるのはあまりに早計です。

なぜなら辞退した人は国税専門官を経験したわけではないのですから。
第一志望でもない人たちの選択を、あなたの進路を決める要素に組み込むのはちょっと違うかな、と個人的には思います。

大事なことは、事前にしっかり下調べをすることです。
国税専門官をイメージで語るのではなく、ただ事実を調査しましょう。

公式HPや現役職員、退職した人などから情報収集して、自分が続けていける仕事なのかどうか見極めることが重要です。

そのうえで国税専門官を仕事にしたい!と思えたのなら、他の人に流されることなく内定を受ければいいのです。

バツマルのブログでも国税専門官の良いところ、悪いところ、様々な角度から分析しているので、よろしければ読んでみてください。

今回は以上です!

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