国税専門官の税務大学校研修を快適にするために必要な3つのこと

元国税専門官のバツマルです。
調査官時代の経験談や、民間企業から公務員試験に挑戦した際の勉強法などをブログで紹介しています。

さて、国税専門官に採用されたら、いよいよ4月から税務大学校で3か月間の研修が始まりますね。

同期と寝食を共にしながら税法を学ぶこの研修は、国税専門官や社会人としての基本的な知識を身に着けるためであると同時に、同期の絆を深める機会でもあります。

国税専門官は同期を第〇〇期、と期別で呼び、その絆は税務署配属後も長く続いていきます。

そして研修期間は同世代の人たちと楽しく勉強しつつ共同生活を送るため、ほとんどの人が声を揃えて「楽しかった」と感想を述べます。

高卒採用組とは違い、国税専門官採用者の研修はある程度自由があるため、飲みに行ったり外泊できたりするので、実際のところかなり楽しいです。バツマルもそうでした。

ですが、やはり中には研究を有意義に過ごすことが出来ない人もいます。

そもそも「研修は勉強をするところ」と割り切っている人はいいのですが、大半は楽しみたいと思っているはずです。

今回は研修で良い思い出を作るために欠かせない、3つのポイントをご紹介します。

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簿記資格をとっておく

まず研修を楽しむ大前提として、しっかりと自由時間を確保することが大事です。
そのためには簿記資格を取っておくことが重要になります。

なぜ?と思うかもしれませんが、国税専門官に採用さて研修が始まった時点で簿記資格を持っていないと、高い確率で自由時間が少なくなります。

その理由をお話します。

研修中の2級合格が求められる

国税専門官に採用され、4月1日から6月末まで研修があります。
そして簿記検定試験の受験も6月に実施されるのです。

ここで大事なことを言いますが、国税専門官に採用されたものは、この研修期間中に簿記2級の試験を受け、合格することを強く求められます。

不合格だから税務署に配属されてからの仕事が出来なくなる、ということはありませんが、合否通知は配属の税務署宛に送られるので、結果はバレます。

出世や配属に大きな影響があるとは思えませんが、上司からの印象は良くないでしょうね。

ということで、6月に実施される簿記検定に向けて、簿記資格のない者たちは必死に勉強をしなければならないのです。

なお、2級以上の資格を持っている人は1級合格を求められることはありません。

1級保持者は逆に面倒なことがあるかも

国税専門官になる者の中には、簿記1級や税理士資格、公認会計士資格合格者まで紛れ込んでいます。

これら上位資格を持っているのであれば、当然税法の勉強も楽についてこれますし、もちろん簿記の勉強なんて不要です。

自由時間がたっぷり作れそうですね。

でも注意してもらいたいのは、優秀過ぎる場合、教育官に目をつけられて他の同期達の指導係に任命されてしまうことがあるのです。

もちろん公式にそんな役職があるわけではありませんが、班(クラスのようなもの)の学力を底上げしたいと思っている教育官は、そういったことをしがちです。

「君は優秀だから頼むよ」なんて副署長級の人から依頼されて断れる新人は多くありません。

同期に勉強を教えること自体が仲良くなるチャンスかもしれませんが、自由時間という意味ではどうしても短くなってしまいます。

1級以上の資格を持っていても、あまり大っぴらに公表してしまうと、自分の首を絞める結果になるかもしれません。

少なくとも勉強はしておくべき

できれば研修までに簿記2級合格が望ましい、と言いましたが、人によってはなかなか難しいこともあります。

そんな場合は少なくとも2級の勉強だけは始めておきましょう。

研修が始まってから2級のテキストを開いていると、実は間に合わないことが多いです。
何故なら簿記の講義で一番下のクラスになると、講義内容が3級の範囲となり、2級の勉強は自分でやらないといけないからです。

講義を無視して2級の勉強ばかりしていても、講義の試験に落ちる可能性がありますし、講義だけ聞いていれば2級の不合格は確実です。

2級と3級の両方の範囲を同時進行で進めていくのはなかなか骨が折れます。

研修が始まる前に、せめて2級のテキストを読み終えるぐらいには準備しておき、研修が始まってからは過去問を解いたり、記憶の定着を図ったりするぐらいで済むようにしておくのがおススメです。

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同期の知り合いを作っておく

研修で何より楽しいのが同期と仲良くなることです。
勉強を教えあうこともできるし、休日に遊びに行くこともできます。

昼食時間に他愛ない話をしたり、寮の部屋に遊びに行ったり・・・。同期の友人がいるおかげで大学生に戻ったような気分になります。

もちろん知り合いがいない状態で研修がスタートし、そこから仲良くなっていく、という流れでもいいのですが、実はそれより前に知り合いを作っておくとよりスムーズに輪を広げることが出来るのです。

事前の懇親会には参加する

国税専門官採用試験に最終合格し、国税局から内定が出ると、しばらくして懇親会の案内があります。

これにはできるだけ参加したほうがいいです。

どうしても都合が悪くて参加できない場合は仕方ないのですが、面倒だとか交通費がとか考えるのはちょっともったいないと思います。

なぜなら研修前に同期と仲良くなっておく絶好の機会だからです。

懇親会では先輩職員との対談や国税専門官の仕事の紹介の他、同期同士の親睦を深めるイベントが用意されています。

ここで一気に距離が縮まり、連絡先を交換したり後日飲みに行ったりすることに繋がります。

逆に言うと、この懇親会には同期の多くが集まるので、ある程度のネットワークが構築されてしまうのです。

ほとんどの人が知り合いのいない中、せっかく知り合った同期とは仲良く付き合っていきたいと考えます。
そうした思考から、懇親会から研修までの間に非公式の集まりは何度か開催され、より親睦が深まっていきます。

そして研修が始まった時には、「久しぶり!」とあいさつを交わす友人関係が出来上がっているというわけです。

ここに懇親会を欠席し、一切知り合いのいない人が溶け込んでいくのには、ちょっとしたハードルがあります。

もちろん全然高くないハードルで、ちょっとしたきっかけで超えられるような高さですが、それでもコミュニケーション能力に自信がない人にとっては難しいかもしれません。

人見知りする、そもそも友人が少ない、という人ほど懇親会に参加して早めに同期とのつながりを作っておくことが大事です。

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転職組は「上から目線」に注意

国税専門官採用試験は年齢で差別しないと言われており、22~30歳まで様々な人が同期にいます。

とはいえ半分以上が春に大学を卒業した人です。
転職組の23歳以上の人たちにとって彼らは後輩のようにも思えるかもしれません。

が、ちょっと注意したいのは、決して上から目線になってはいけないということです。

平均年齢は25歳

国税専門官に採用された人の平均年齢はだいたい25歳ぐらいです。
バツマルが研修時に関係者から聞いた数字です。

半分ぐらいは新卒の22歳で、年齢制限ギリギリの30歳ももちろんいます。

そして社会人経験豊富な人もいれば、フリーターだった人、大学院で会計士の勉強をしていたけれど断念した人など、本当に様々です。

社会人としての先輩ではあるが・・・

自分がもし社会人として企業で働いた経験があったとして、この前まで学生だった同期達に色々教えてあげたいと思うのは、間違ってはないと思います。

ですがそれを押し付けてしまうのは絶対にNGです。

あたかも自分が先輩であるかのようにふるまい、「教えてあげる」という態度をとっていては同期に嫌われることは間違いありません。

年齢は様々でも全員同期です。社会人経験があろうがなかろうが、国税専門官としてのスタートは同じなわけです。

そこをはき違えてはいけません。
社会人としてのルールやマナーは、相手から教えてくれ、と言われたときだけにしておきましょう。

それも上から物を言うのではなく、「前の職場ではこうだったけど、税務署では全然違ったらゴメンね」というような姿勢が大事です。

自分では普通にしているように思っても、実は相手にとっては「なんだあの態度」と思われているかもしれません。

円満に友人関係を作りたいなら、やめてしまった前職のプライドなんかはすぐに捨ててしまったほうがいいです。

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まとめ

国税専門官の仕事はストレスが多いと言われます。
せめて研修期間だけでも快適に過ごしたいですよね。

そのためには、時間と友人が欠かせません。

今回の記事ではこの二つを確保するための秘訣をご紹介しました。

今から研修が不安で仕方ない、という人はぜひ参考にしてみてください。
楽しい研修になることを祈っています。

今回は以上です!

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